オリンピックの種目

Sportsのあれこれ

最近知ったオリンピックの選手に、ディック・フォスベリーという高跳びの選手がいて、
1968年のメキシコオリンピックで一躍有名になった人。
従来の高跳びはうつ伏せでバーを越えるのが主流だった。
これは1930年代にアメリカのD・アルブリットンという人が考案した『ベリーロール』という跳躍方法。
それに対してディック・フォスベリーは、仰向けでバーを越える跳び方でこの年のオリンピックで金メダルを獲得した。

それ以降この跳び方は『フォスベリーフロップ』と呼ばれ、高跳びの常識を塗り替えた。
フロップとは「Flop」のことで、失敗とかコケるとかネガティブな意味だけれど、この場合は疲れてドサッと椅子に倒れこむ様子からそう言われたらしい。
日本では「背面跳び」と呼ばれるこの跳び方、まさか近代になってから考案されたものだとは思いもしなかった。
スタンダードを変えるって凄いの一言。
オリンピックは歴史が長い分、改革もドラマも多々あったと思うけれど、
今回はオリンピックの種目について気になるものをPickupしてみた。


昨年のフランスで行われたパリ・オリンピック。
ブレイクダンスが種目に追加されて賛否両論が起きたのは記憶に新しい。
これは【追加種目】というオリンピックの制度が関係していて、2020年東京大会から種目の提案をする権限が開催国に与えられるというもの。
正式採用をするかどうかを開催国の提案に沿ってIOC(オリンピック委員会)が決定していくので、
その大会限りというものも、これからは多く出ることになりそう。
東京大会では、野球やソフトボール、空手などが正式種目に採用されたけれど、パリ大会では実施されないものも多数。
文化圏の違いから支持されているスポーツが全く違ったりするので、変えていきましょうということなんだろうけど、
商業的成功を優先させたように見えてしまう。まあ仕方ないことだけれど。
でも一番の問題になった種目削除の事案は、レスリング。
レスリングの普及率の低さや、世界レスリング協会の透明性の無さの為、オリンピック正式種目から削除するという有識者投票が2013年に行われ、2020年東京大会から廃止するという提案がされた。
これには世界が猛反発して、歴史ある競技を残せという運動が起きたのだけれど、
結果から言えば、正式種目から投票で除外→改めてレスリングを正式種目として採用という、よくわからない流れ。
これは運営に問題があった世界レスリング協会に改革の必要性を強く意識させた出来事だったようで、
要は、お灸を据えたという事案だったらしい。
次回は2028年、アメリカで行われるロサンゼルス大会だけれども、
野球とソフトボールは正式採用されており、パリ大会で行われたブレイキン(ブレイクダンス)は種目から外されるそう。
ちなみに2032年はオーストラリア・ブリスベン、2036年は未定だけれど中東の各国が名乗りをあげている。
開催国で種目が大きく異なるこの流れはしばらく続きそうなので、そこに注目するのも面白いかも。


オリンピックについて色々見ていて面白かったのが、1948年のイギリス・ロンドン大会。
この大会を最後に廃止された種目に、芸術部門というのがあったそうで、
絵画、彫刻、文学、音楽、建築の5部門で構成され、作品審査で点数を付けてメダルが授与されていたそう。
オリンピックは最初からスポーツの祭典だと思っていたものだから、かなり意外だった。
オリンピックを復活させたクーベルタン男爵の熱望により1912年のストックホルム大会から採用されたらしい。
スポーツには関心が無いけれど芸術なら、っていう人を取り込みたかったんだろうか。

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