ジュラシックパークについて

日々の疑問をつらつらと。

日々の疑問をつらつらと。

普段何気なく暮らしていると、
当たり前に或るものや、わかったつもりになっている事には疑問を感じ無くなっているもので。

1993年に公開された映画『ジュラシックパーク』。
当時映画館で観た時は度肝を抜かれる程興奮したもので、まだCGが現在ほど発達していなかった中での驚異的なクオリティ。
あれからたくさんの後継映画やら派生映画が作られてきたけれど、公開から32年経った現在、現実はどこまで追いついているのだろうと、
ふと思い立ったのでLet’s research.


結論から言うと、「科学的に無理」。
なんの夢も無い結論だけれど、調べてみると興味深い分野で色々考えさせられる。
映画『ジュラシックパーク』の中では琥珀から恐竜のDNAを採取してゲノム解析から卵を作りだしていたけれど、
このDNAというのは保存限界というものがあり、理論上では最大600万~700万年程度で完全に分解されてしまうそうで、
6600万年前に絶滅した恐竜の化石から完全なDNAは1塩基すら発見されていないらしい。
琥珀とは樹脂が硬化したもので、内部では形の保存はされるけれど水分や酸素の完全遮断が出来ない、また生化学的な分解酵素や自然放射線の影響からDNAの科学結合は必ず途切れていくそう。
1990年代~2000年代に複数のチームが実際に琥珀からDNAの採取に試みたそうで、結果は古代DNAは1塩基すら発見出来ずだったらしい。
現在発見されている中で最古のDNAは永久凍土から見つかった約200万年前のマンモス。
同じく永久凍土から見つかった約50万年前の馬のDNA。
琥珀より永久凍土のほうが圧倒的に安定しているそうで、約5300年前の人「アイスマン」などはニュースでも取り上げられて有名だけれど、ほぼほぼ完ぺきにDNAなどが見つかったのは永久凍土が保存にかなり適しているからだそう。
恐竜に話を戻すと、鳥類の直接的先祖が恐竜なので鳥のゲノムを操作して先祖の形を発現させる試みは行われているそう。
無理やりな先祖返り。
それでも恐竜そのものに戻すのは無理だそうで、近いものが出来たとしてもそれは恐竜風の新生物らしい。

現在のクローン技術でも完全なゲノムDNAが必要なため、やはり復活は不可能。
例え見つかったとしても卵を作るための代用母体や人口子宮も現段階ではSFレベルだそう。残念。
ただ、恐竜はダメでも時代が下った種ならば復活は出来るらしく、例えばもう一つの人の種、ネアンデルタール人。
マンモスなどもDNAゲノムは良好に残っているものの欠損がやはり多く、復活させるにはかなりの技術的ハードルを越えなければならないけれど、
ネアンデルタール人のDNAゲノムはほぼ完ぺきに揃っているいるし、近縁種であるホモサピエンスは近場にごろごろいるので、
代用母体等の技術的なハードルはほぼ無しで復活させる事が出来るらしい。
問題は倫理観。
知性を持った種を蘇らせる、そして同種ではないにせよ人間。
人権は?環境適応力は?そもそも絶滅種の復活そのものが自然死への冒涜では?
ロマンだけでは超えられない壁が多々ある現実。
結局、「恐竜は科学的に不可能、もう一つの人間種は倫理的に不可能」ということらしい。


ちなみにジュラシックパークの様に個人が資金力にモノを言わせて復活させることも不可能らしく、
国家レベルのインフラ設備と施設を痕跡を全く残さず、というのは100%無理らしい。
特に哺乳類の妊娠過程は、設備・動物管理・スタッフが大量に必要で秘密裏に出来るレベルでは無いそう。
ならば国そのものがやっているとしたら?
DNA試薬・ゲノム装置・動物輸送の国際管理は非常に厳しいので、少しでも漏れたら国際的叩かれるうえ、
核開発と違って大きな国益にはならないのが現状。
でもたった数十年でSF話だったものが世界が力を合わせれば実現可能な世の中になっていることに驚く今日この頃。

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